デジタル難民を救え!

近頃、家庭用電位治療器やスマートフォンではなく、日常生活における全てのデジタル関連についての質問や相談が増えてきました。
それがご年配の方だけではなく、わりと若年層~中高年の幼いころからテレビゲームやデジタル家電に慣れ親しんだ世代の方からなのです。
しかもお仕事で業務的に普段パソコンを触っている方だったりするので少し意外に感じます。

前回まで「スマホ難民を救え!」というタイトルで2回ほど記事を投稿して(実は4回目まで下書きを作っていました)いたのですが、

「デジタル難民を救え!」

というタイトルで少し趣旨の異なる記事を書こうかと思います。
スマホの記事は検索クエリ的にアクセス数にまったく影響していないので、リクエストがあれば気が向いたときに続きをアップします。

今回は感染症パンデミック以前の話になりますが、九州のとある老舗宿泊施設様からDX化による事務効率化のご相談を受けたときのお話をします。

IT導入ホテルの先駆け

その施設は2000年代初期の頃から業務にITを導入しており、公式ホームページの開設や、
パソコンにインストールされたホテル管理システムPMS)で宿泊台帳管理しており、2010年代にはじゃらんや楽天トラベル等のインターネット宿泊予約OTA)も導入していたことから、

九州圏内では当時としては周辺の他の宿泊施設と比較し、わりと先進的だったのではないかと思います。

しかしデジタルの進化は日進月歩です。

10年以上前のITの仕組みなんて古すぎて逆に不便でしかありません。

20年経つとこうなる

使用していたPMSは黒い背景色に白い文字と記号と線のみで表示されたCUI(WindowsのDOSプロンプトやMACのターミナルのようなもの)の画面内にある入力フォームにキーボード操作のみで宿泊情報を入力していく、その施設向けに独自開発されたものでした。
若い世代や不慣れな人には操作が難しく、誤入力しても修正ができなかったりと人為的なミスが多発していたようです。
オンプレミス環境のサーバーと合わせて年間の保守費用が120万円かかっていました。

ホームページの制作は専門会社に依頼して作成してもらったようですが、経費削減理由で更新運用は自社内で行っており、ブログだけの更新となっていました。
それでも年間の運用管理費は20万近くかかっていました。

そして驚いたのはOTAからの予約がサイトコントローラー(PMSやOTAとを連動して在庫管理をするサービス)経由ではなくFAXで届いていたのです。都度FAXに気づいたスタッフが紙に印刷された情報をPMSに手入力していました。
前述のPMSへの誤入力多発に直結していますし、在庫も直予約分とOTA(からのFAX)予約分とで在庫を分けて管理する必要がありました。

さらに驚いたのは領収書発行の印刷機が昭和を感じさせる専用の帳票プリンターで、印刷された領収書は、こんなもの誰が欲しがるのだろうか?というくらいとても豪華な賞状のような領収書でした。
印刷機本体の保守費用とインクや専用紙などの消耗品費を含めて年間100万ほど維持費がかかっていました。

この宿泊施設でのDX化の悪い要因として以下が挙げられます。

・新旧のIT設備がうまく連動できておらず、継ぎ接ぎになってしまっていることから、間にアナログ作業を介しており人為的ミスが多発している。

・社内にITの評価ができる人材がいないため、設備投資の都度、業者の言いなりになってしまい、運用保守の費用が過大となってしまっている。

・逆に、現代では一番重要な宣伝広告・営業支援ツールであるウェブサイトの運用費を削減しており、まったく利活用できていない。

先にも述べましたが、ITの世界は日進月歩を通り越して秒進分歩と言っても過言ではありません。

新しい技術のほうが便利に決まっていますが、設備を常に最新状態にしておくためには費用がかかります。

それを扱える人の教育も必要になってきます。

かといって部分的に機能を追加・入れ替えしていくと継ぎ接ぎだらけのキメラシステムになってしまいます。

その場しのぎのDX構築は後から散々な目にあいます。


昨今、新規でIT導入する顧客はほぼ皆無です。

教育の観点でも新規開発のノウハウだけではなく、既存システムの分析と運用の現状を把握し、マクロな視点での更改スキルがとても重要になってきます。

第一回目はこの辺りで終了します!

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